
健康経営戦略で描く、企業の未来
現在、健康経営戦略マップの作成に取り組んでおり、その整理に試行錯誤しています。
「健康経営」は、従業員の健康を経営課題として捉え、戦略的に取り組むことで生産性向上や企業価値向上を目指す考え方です。しかし、健康経営優良法人の認定取得を主目的とした取り組みでは、施策が形式的になり、十分な効果が得られないケースもみられます。そこで重要となるのが「健康経営戦略マップ」です。これは健康施策と経営成果を論理的に結びつけるフレームワークであり、企業の持続的な成長を実現するための道しるべとなります。
■ なぜ戦略マップが必要なのか?
健康経営の最終目的は、従業員の健康改善そのものではありません。企業にとっては、健康状態の改善が「生産性向上」「離職率低下」「組織活性化」「ブランド価値向上」などの経営成果へ結びつくことが重要です。しかし、健康施策と経営成果の間には時間差があり、因果関係も複雑です。たとえば、健康診断受診率の向上そのものが、直接的な利益増加に直結するわけではありません。そこで戦略マップを活用することで、
健康施策 → 従業員の行動変容 → 組織の活性化 → 生産性向上
という一連の流れを可視化し、経営層や従業員に取り組みの必要性と方向性を明確に示すことができます。
■ 導入のポイント
戦略マップを作成する際は、次の3点を重視することが効果的です。
・経営課題との整合性を取る
健康経営は目的ではなく、経営課題を解決するための手段です。経営計画や人材戦略と結びつけることで、「経営に資する取り組み」であることを明確にできます。
・定量指標を設定する
「健康診断受診率」「ストレスチェック受検率」「プレゼンティーズム改善率」「メンタルヘルス不調者数」「離職率」など、定量指標を設定し、PDCAを回すことで、施策の有効性を継続的に検証できます。
・経営層のコミットメントを得る
健康経営は現場任せでは定着しません。トップが戦略を理解し、メッセージを発信することが、全社的な推進力となります。
健康経営戦略マップは、企業の未来を描く“設計図”です。経営層と現場が同じ方向を向き、戦略性を持って取り組むことで、企業は持続的な成長に向けた力を蓄えることができます。現在、2020年度に設定した中期目標が2025年度で終了することを受け、次期健康経営目標(KGI)の設定に向けて、メンバーと議論を重ねています。成果というゴールに向けた道のりは、まだこれから続いていきます。
2026年1月
理事 山脇 恒



















