健康経営研究会

「共存・共生から協働・共栄へ」 

「共存・共生から協働・共栄へ」 

「共存・共生から協働・共栄へ」 

 我が国の外国人労働者数は増加の一途をたどっている。人手不足の業界では、多くの外国人労働者が様々な在留資格で居住し、とりわけ、第1次~第2次産業、介護や建築、インフラ関連、自動車整備、外食や宿泊等のサービス業、清掃業等々では、我々の社会生活を維持する重要な担い手となっている。

経済誌の記事*によると、1万人以下の自治体(543自治体)では、外国人住民比率は川上村(長野県)が全国1位で37.04%を占め、有数のレタス産地として村内農家の9割以上が外国人労働者(特定技能+技能実習)を受け入れている。
一方、2位、3位は北海道のリゾート地(占冠村、赤井川村)で、それぞれ27.92%、25.54%を占め、在留資格も「技術・人文知識・国際業務(技人国)」「企業内転勤」「特定技能」「特定活動」といった多様な就労資格者が混在している。
人口1~5万人以下の自治体(688自治体)では、1位は大泉町(群馬県)が22.61%で、国内屈指の工業地帯を日系ブラジル人が「永住者」「定住者」「配偶者」等の身分で、更に近年は他のアジア系移民も共存し、街や産業が形作られている。
2位は恩納村(沖縄県、13.68%)で、ここはリゾート地でも国際研究都市(沖縄科学技術大学)でもあるが為、在留資格には「教授」「高度専門職」「留学生」が目立つ。
人口5万人超の自治体(661自治体)では、トップ1~3位は大阪市内の3区(生野区、浪速区、西成区)で順に24.45%、18.13%、16.06%となっている。在留資格は「特別永住者」以外に「技人国」「経営・管理」「留学」が多い。

先日、ベトナム人労働者が安心して働ける職場作りに取り組んでいる企業で話を聞く機会を得た。ここでは、複雑な日本の保険制度や福利厚生、健診、医療などを同胞に母語で説明できる専業のベトナム人女性を雇用し、日本での就労や生活に馴染むよう支援している。
その女性の言葉で印象的だったのは、「病気になった時は薬局で薬を買う、診療所や病院の受診は余程状態が悪い時のみ」「日本では緊急時に救急車を呼んでも直ぐに病院に運んでもらえず、受け入れ先の病院が決まるまでに時間がかかる」「日本の医療制度が整っている事は理解しているが、病気になれば母国に帰ってベトナム人医師による医療を受けたい」という言葉だった。
言語や費用だけではなく、日本が直面している医師偏在(地域偏在と診療科偏在の両方)や救急医療の問題に加えて、日本の医療従事者との信頼関係の構築が容易ではない状況が浮かび上がる。一部のメディアは、外国人が日本の医療保険を食い物にしていると報道しているが、真面目に就労している多くの外国人労働者の実態とは異なっているようだ。
一部の先進的病院やクリニックでは、外国人労働者の受入れ体制や多言語通訳サービスが整えられ、一般的な診療所でも通訳アプリを利用するところが漸く増えつつある。労働者自身もChatGPTなどを利用しながら、日本での生活や就労が盤石なものになるよう努力を重ねている。

 又、近年はロボットの開発も急速に進み、複雑な動きができる人型ロボットも日々訓練されている。AIも多岐に亘る仕事を担い、将来は外国人労働者同様に我々の生活や就労の現場を支える大きな労働力へと成長を遂げるであろう。
ロボットやAIといったテクノロジー、そして人もまた同様に、国籍や年齢、障害の有無などに拘らず、共存・共生から協働・共栄への道を模索し、進むべき時代となっている。

*東洋経済オンライン 2026年5月12日公開 川口市まさかの25位、新宿区が4位、では1位は?《人口に占める外国人比率が大きい市町村》ランキングTOP100×3 堀尾大悟氏の記事より

2026年6月
理事 久保 とし子